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amnesia製作ノート

この映画の音楽を担当することになったいきさつはプロジェクトリーダーのHirakuがK塾の古典を講座担当されていた先生との面談から始まります。

先生:「へえ、趣味は作編曲なの?私の甥に映画作っているのがいるんだけど、音楽を作ってくれる人がいなくて困っているらしいの。紹介してもいい?」
Hiraku:「ぜひ、紹介してください!」


次の週に、今までの作品の入ったビデオと手紙、そして今回の台本が渡されました。

この物語の音楽イメージは、「ピアノ」ですが、バンドの演奏するポップな感じの曲をお願いします。一応詩はできています。(筆者注:とはいうもののできていなかった。)コード進行を入れたテープを後日お渡しします。(筆者注:このテープももらっていない。)何かの参考にしてください。
テープ(できればMD)に録音していただく、もしくは譜面をいただければと思います。
最終的には、僕らが勝手に結成したバンド「なんちゃてばんど」が演奏したものを録音する形になり、エンディングテーマとして使用する予定です。

監督も高校生に音楽全編を任せるのが怖かったらしく、(後に聞いた話です。)最初は主題歌の作曲とバンド向けの編曲をすることになりました。


上記の手紙に書かれているのに、いっこうに詩もコード進行のテープも届かないため、メロディが思いつきませんでしたので、結局、台本を読んで、メインテーマとなるような曲をピアノで作りました。そしてその曲をバンド風にアレンジすることにしました。

パートは、ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボードの五人。


当時、藤橋監督はインターネットが使用できないため、(早大生は全員アドレスを持ってるはずなのに・・。)主に助監督の赤羽さんとEメールで連絡を取り合っていました。電話連絡は、東京・仙台間の料金の高さから必要事項だけしか、手短にしか連絡できません。曲のオーダー表もEメールでいただき、簡単なイメージのメロディもMIDIデーターで送り、具体的な長さ、編曲指定等もしていただきました。

これらの作業はパソコン抜きには進みませんでした。作編曲もパソコンと電子ピアノ、音源をそれぞれつなげて、譜面に起こし、ハードディスクに録音・編集まで行いました。(いわゆるハードディスクレコーディングです。)


夏休み後に、譜面とパソコンで演奏させたその曲の入ったテープを先生経由で監督に渡しました。そして、監督用とは別に、個人的に純子先生に「アムネシア」のピアノとストリングスで作った簡単な曲と台本を読んで作ってみた曲(「Cross road」の原曲)を録音したテープを渡しました。(とっても監督に聞かせる出来ではなかったのです。)

もしよかったら、「ななみの海の曲」を作っていただきたく思います。
クラシックピアノで、悲しいけれど少し暖かい感じの曲がいいです。久石譲的なとでも言いましょうか。
「山を落ちた小さくか弱い水の雫達がゆっくりと集まり、そして川となり、街を駆け抜け、やがて母なる海に辿り着き、愛に包まれ、安らかに眠る。」
そんな曲のイメージです。(筆者注:あまりにも抽象的で、Akkoは理解に苦しんだ。)


そのあとにこんなメールが入ってきました。先生が監督に聞かせてしまったらしいのです。

あのテープの最初の1曲目をもう少しロングにして欲しいです。2分くらいに。次に2曲目のピアノソロバージョン。アンドオルゴールっぽい音でのソロをお願いします。あの曲は航也とフウコの2人の兄弟愛の曲にぴったりです。エンディングに使わしてもらおうと思ってます。ピアノやオルゴールバージョンも2人の盛り上がりに使おうと思ってます。
あとはこの間の「アムネシア」のピアノ(いろいろMIXしてもらってかまいませんが)を弾いたものをお願いします。結構暗い曲だよね、多分。(筆者注:かなり明るい曲です。)「アムネシア」は回想シーンで使いたく思います。
あとはおもいっきりPOPな曲を一曲お願いしたいです。「さくらの空」で2人があちこちのトイレにアンパンマンを書いて回っているときに流れていたような。航也とフーコが買い物をしたり大学に行ったりしているところで使おうと思っています。計6曲お願いします。 

こうして、なんとHirakuが映画全編での音楽を担当することになってしまいました。映画の出来を左右してしまう大変な役目を負うこととなったのです。
スケールも大きく、制作費用も多めなこの作品(これまでで一番長い作品。しかも、コンテスト用の勝負作。)に本格的に関わることとなり、心配はつのるばかりでした。


一応作ってもらいたい音楽は全部で十曲あります。(内「アムネシア」の三曲は完成済、「不安な逃避」はどこかで使おうと思ってますがまだ保留ということで)どこでどの曲を使うか、どんな感じの曲かを下記しますので脚本と照らし合わせて作って下さい。

@音楽A
 第1部 3頁♯10定夫「分かったよ、」から4頁公園まで
 4頁♯35から♯36まで
題名(LONLY DAY) ゆっくり、怠惰、倦怠感、模索。
A音楽B
 第1部 6頁街から7頁航也がビルの中に入るまで
題名(CROSS ROAD) もうすこし「不安な逃避」のリズムをゆっくりにしてもらえばピッタリです。
B音楽C
 第1部 8頁航也がチラシを渡すあたりから9頁ラストまで
題名(HAPPY BLUE) 不思議、異空間、前衛的な感じ。
C音楽D
 第1部 15頁大学から17頁洋服屋まで
題名(ENJOYABLE TIME) 「アムネシア」バンドバージョン。POP. 明るい感じ。出来ればHiraku君のバンドで演奏してもらいたく思います。「なんちゃってバンド」はキーボードがいないんです。
D音楽E
第1部 19頁河原から笹岡結城登場まで
題名(QUIT PLACE) 「アムネシア」ピアノバージョン。決定。
E音楽F
 第1部 21頁部室から聞こえてくるピアノ
 第2部 12頁フーコがピアノ弾き出すから14頁黒服の男まで
題名(SONG OF SEA) 七海のうみのうた。一応僕の手持ちの曲があるのですがHiraku君が作る曲はとてもよいのでグッと悲しい感じの曲を作って欲しいです。郷愁、なつかしさ、悲しみ、別れ、せつなさ、回想。
F音楽G
 第2部 9頁航也宅、フーコが泣き出すあたりから11頁2人が校庭に入ってくるあたりまで
題名(LOST MEMORY) 無くなった記憶を探しに行くシーン。暗中模索。漠然とした不安感。見えないものに対する恐怖感。どこか哀しさが流れている感じ。
G音楽H
 第2部 16頁海から18頁フーコが海の中に入って行くまで
題名(SAY GOOD-BYE AT SEA) 「アムネシア」オルゴールバージョン決定。
H音楽I
 第2部 21頁七海の母親がピアノを弾き始めるところから25頁梶原が去るところまで
題名(SEPARATION) 七海のうみのうた。音楽FのSONG OF SEAのスペシャルバージョンだんだん悲しみが大きくなっていくように最初はピアノソロ。しだいにいろいろMIXされオーケストラばりになったらうれしいです。フーコと航也が21頁通りあたりに登場するときからMIXされるとGOODです。
I音楽J
 第2部 25頁航也宅から航也が家を出て行くところから河原に着くところまで
 エンディング、スタッフロールが流れるところ
題名(AMNESIA) 「アムネシア」スペシャルバージョンでいきたいと思います。

以上、10曲お願いします。


このオーダーの増加のあと、締め切りまでに仕上げること(なんと1ヶ月後!)の不可能さを悟ったHirakuは、こう返信しました。

もう一人作曲者が増えます。「Akko」というおんなのこです。

DTMを本格的にやっている唯一のメンバーAkkoに白羽の矢を立て、至急台本とオーダーを渡し、Eメールで参考曲を送信。早速作曲に取りかかってもらいました。彼女も突然の依頼で、なかなかメロディが思いつかず、スランプに陥りました。
結局、今までにためてた曲を含め7曲を録音したテープを送りました。その後も、時間がかなり制約されていたので、締め切り一日前に録音をするといった状況でした。


tapeイ・・・前々回のテープ(アムネシアバージョン3種類+不要な逃避)
tapeロ・・・前回のテープ(Akkoさんの曲中心)
tapeハ・・・今回のテープ(7曲入り)
A Akko ロ7−3曲目 2分30秒 lonely day
B Hiraku ハ7−7曲目 2分 cross road
C Hiraku ハ7−2か3曲目 3分 happy blue
D Hiraku イ3−1曲目 5分30秒 enjoyable time
E Hiraku イ3−3曲目 3分 quiet place
F Akko ロ7−1曲目 5分 song of sea
G Akko ロ7−7曲目 5分 lost memory
H Hiraku イ3−2曲目 5分 say good bye at sea
I  Akko ロ7−1曲目 9分 separation
J Hiraku アムネシアスペシャルバージョン 2分30秒 amnesia
K Hiraku       〃      2分15秒 to next(J+K=5分くらい)
L Akko ロ7−2曲目 2分 melancort(だいたいでO.K.です。)

Cのhappy blue 用はtake2か3を使おうと思いますがもっと暗い音(たとえばベース音)でそしてもっと地味にアンダーグランドな感じでお願いします。
メロディーラインはO.K.です。 あと前にもらった今村さんの7曲入ったテープの2番目の曲を追加でLとして使おうと思いますのでお願いします。
あとバンドがやっぱりきついかもしれないので、一応以前もらったバンドバージョンをDとして、できればドラム音を入れることが出来たら入れてほしいっす。
Iが9分というメチャ長になってしまいました。最初はピアノバージョン、後クラシックバージョンという風になってもかまいません。あいだに単調なリズムだけの部分が続いてもいいです。すんません、長くて。
あとエンディングなんですがやっぱりアムネシアのスペシャルバージョンを航也が家を出るあたりから流し、野球場へつくあたりで一旦切り、最後黒画面が出た後に、残りを流す方式で行きたいのですが、どうでしょうか?


このメールを基に最終調整を行い、Hirakuの級友Uichi(彼にはミキシングなどでお手伝いしてもらいました。)の家にて、レコーディングを終えました。その後、早稲田映画祭りグランプリ受賞といううれしいニュースが飛び込んできました。

東京学生映画祭も観客賞(観客投票が一番多かった作品)と第二位という結果でした。
グランプリを惜しくも取り損ないましたが、観客のみなさん、プロの映画監督のみなさんからはかなりいい評価を得ました。
音楽の方も好評だったそうです。アムネシアに対する評価はこちら

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